ジョバンニが学校の門を出るとき、同じ組の七八人は家へ帰らずカムパネルラをまん中にして校庭のすみさくらの木のところに集まっていました。それはこんやの星祭に青いあかりをこしらえて川へ流す烏瓜からすうりを取りに行く相談らしかったのです。
けれどもジョバンニは手を大きくってどしどし学校の門を出て来ました。すると町の家々ではこんやの銀河の祭りにいちいの葉の玉をつるしたりひのきのえだにあかりをつけたりいろいろ仕度したくをしているのでした。